便秘
様々な便秘の改善方法やお薬がメディアで紹介されています。これらを試して改善する方もいらっしゃれば、「最初は良かったけど、だんだん効かなくなった。」「いろいろ試してもすっきりしない。」とお悩みの方もいらっしゃいます。残念ながら、便秘となった原因や体質に合わない方法だったのかもしれません。
漢方では、毎日排便があってもすっきりしない場合や、日に何度も排便があってすっきりしない場合も「便秘」と同じように、腸などに不具合があると考えます。
便秘の症状
- 便秘で毎日出ないとすっきりしない。お腹が張る。舌の色が黄～黒っぽい
- 下腹が痛む、肩こり、頭痛、冷えのぼせなどがある
- 2〜3日排便がなくても平気、便秘と下痢を繰り返す
- 下剤を飲むと腹痛、下痢になる。冷え、めまい、肩こりなどがある。コロコロした便がでる
- 排便後もすっきりしない。おしっこが近いまたは量が多い、足腰が重い、痛い、つる
便秘の方に多い体質
胃邪熱（いじゃねつ）
胃腸に熱がついて塊がある
鬱血（うっけつ）
血の流れが悪く滞っているため便が固くなる
脾胃虚（ひいきょ）
胃腸の働きが悪いため便が残る
血虚（けっきょ）
泌尿器の働きが悪く、津液（しんえき）が不足して便が固くなる
便秘を改善するポイント
まずは、生活習慣の見直しを
便秘の原因の多くは、バランスの悪い食事、運動不足、繰り返し便意を我慢する、ストレスなどです。お薬に頼る前に、まずは生活習慣を見直すことをお勧めします。詳しくはコラム記事でもご紹介しています。生活習慣の見直しで便秘が解消できれば、これに勝ることはありません。
また、「一日一回するっとバナナ状」が良い排便で、それ以外はダメと思っていらっしゃる方もいますが、2・3日排便が無くても便の状態が良く、ほかに気になる症状が無い方はあまり心配をしなくてもよいと思います。
体質にあったお薬を選ぶ
生活習慣の見直し実践しても改善しない場合や、他に気になる症状がある方は、お薬をお試しください。
便の出かたが悪いと感じ、市販の便秘薬を常用している方も多いと思います。しかし、便秘薬の中でも腸を刺激し排便を促すタイプのものは、長く飲み続けると腸が刺激に慣れてしまい、症状を悪化させる場合もあります。漢方薬であっても飲むと下痢する場合は、注意が必要です。ご自身の体質に合った漢方薬をぜひお試しください。
また、便秘に伴い、便の色が黒い、出血がある、激しい腹痛、嘔吐などがある場合は、すぐに病院に行き診察を受けてください。
他のお悩みはこちら
薬剤師による漢方コラムも
ぜひご参考にしてください
経験豊富な薬剤師たちが、皆さんの健康を願いながら執筆するコラムです。生薬と食べ物の効果効能、気候や生活習慣と体の関係性、気血水・陰陽をはじめとした漢方の言葉や考え方の解説…といった様々なテーマの記事をお届けします。
