菖蒲
薬食同源
もうすぐ、五月五日、端午の節句(たんごのせっく)ですね。
もとは、古代中国の年中行事の一つでした。旧暦の午の月(五月)の端(はじめ)、雨期を迎える前に、厄災や疫病などがおこらないよう厄祓いを行っていたようです。
それが日本に伝わり、時代を経て、男の子の健やかな成長を願う行事となりました。
端午の節句には、菖蒲(ショウブ)の葉をお風呂に浮かべて入る風習があります。
菖蒲の葉は邪気を祓う薬草として古くから用いられていましたが、形が刀に似ていること、ショウブの読みが「尚武(武道や軍事を重んずること)」と同じであること、などから男の子の成長を願う日となったという説があります。
菖蒲の葉に含まれる香りの成分が血行をよくし、疲労回復に役立つといわれています。
お風呂にいれると、さわやかな香りがします。
この香りが邪気を祓うと考えられたのかもしれませんね。

菖蒲の根茎は、生薬として用いられていました。
冬に菖蒲の根茎を掘り出し、ひげ根をとり、水洗いをした後、刻み、日干しにしたものを用います。
白菖(はくしょう)または菖蒲根(しょうぶこん)。味は辛。性は温。
鎮静、鎮痛、鎮痙、鎮咳、去痰、血圧降下の作用があるそうです。
煎じ薬にすると、吐き気を催すこともあるそうで、内服には注意が必要です。
入浴剤として煎液と一緒にお風呂にいれると、緊張をほぐし、血行を良くして温まるので、神経痛などの痛みに良いとされています。
菖蒲によく似た石菖の根茎も生薬として用いられ、こちらは石菖根(せきしょうこん)といいます。
効果も似ていますが、石菖根の方が、辛香の気味が強いので、白菖よりよく用いられているようです。
端午の節句には、他にも粽(ちまき)や柏餅を食べたり、鯉のぼりや五月人形を飾るなどの風習がありますね。
みなさんもそれぞれお好みの方法で邪気を祓い健康を祈願してみませんか?
参考 「くらしの薬草と漢方薬」 水野瑞夫/太田順康 共著 新日本法規
「漢薬の臨床応用」 神戸中医学研究会訳・編 医歯薬出版株式会社

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